リズム感・音楽性


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前々回より、2回連続で、
音楽について書いたところで、
今日は、リズム感・音楽性について
考えてみようと思います


私は、とても幸運なことに、
母がピアノ教師だったり、
中学校で吹奏楽部に
入っていた影響もあってか、
音楽性と表現力だけは、
どこの学校・カンパニーへいっても、
高く評価して頂きました。


だからこそ、生徒たちにも、
音楽を感じて踊る楽しさを、
分かってほしいと、
日々試行錯誤をして
教えています


ミュージカリティー [音楽性]


今、14歳から18歳のクラスを
教えているのですが、
ミュージカリティーという点で、
様々な問題を抱える生徒に出会います。


A)音楽を聞いていない、または、ステップばかりに気を取られている。
B) 音楽を聞いて、それに合わせて踊れるが、
カウントに合っているのみで、何か物足らない。
C) 音楽を感じる心はあるが、踊りだすと音に合わない。
D) 音楽を感じることができ、音楽に合わせて踊ることができる。
しかし、気持ちばかり先走って、テクニックが荒い。

などなど。


よく考えてみると、
音に合わせて踊ることを、
教えるというのは、
とても難しいことだと
思うのです


海外の国立のバレエ学校へ
入学できる子たちは、元から、
視覚的に動きの
クオリティーを捉え、
さらには、その動きを、
音通りに再現できることが
できる子ばかりなので、

「音楽をちゃんとききなさい。」
「音に合わせて踊りなさい。」
「遅れない!」
「速くならない!」

などのフィードバックの注意だけで、
十分なのかもしれません。


しかし、一般的に、
「リズム感や音感のない」
と言われる生徒たちは、
その注意だけでは、
いつまでたっても、
音に合わせて踊ることは
できないと思います



インプットとアウトプット


バレエのステップは、
それぞれの「パ」ごとに、
動きのクオリティーが
決まっています

そして、
その基本的な
動きのクオリティーを
崩さないことを前提に、
さらに、音楽に含まれる
様々なエレメント、
例えば、リズム、
アクセント、強弱、
ハーモニー、音色などを感じ、
ステップで表現
しなくては
なりません


まず、教師が
そのことを理解していなければ、
生徒にミュージカリティーを
教えることはできません。


そして、その音楽の中の
様々なエレメントに
生徒たちが気が付くように、
教師は、積極的に声をかけて、
誘導しながら、
レッスンを
しなければならないと
思うのです。


まずは、どのようにして、
音楽を聞けばいいのか

つまりは、音楽のインプットの仕方
伝えなければならないと
思います



さらには、もし、
生徒たちがそれを感じていても、
動きのタイミングが、
音楽に合っていないと、
「リズム感や音楽性がない」
と言われてしまいます。


ここで、テクニカルな指示
つまりは、アウトプットの仕方
注意も加える必要があります


カウントの頭で、
動きが頂点にくるように、
カウントの間の「and」で何をするべきか。


遅れずに、次のステップへ
行くためには、
どちらの脚に
重心があるべきなのか。
両脚の真ん中にいては、
上手くタイミングを
コントロールできませんよね。


具体的な指導方法


元々、ミュージカリティーも、
運動神経にも
恵まれている子たちは、
プロのダンサーや、
先生のお手本をみて、
視覚的に学び、
感覚でできてしまいます。


しかし、実際は、
そのような生徒ばかりでは
ありませんよね。


しかも、
ミュージカリティーは
生まれつきや、
才能だといわれがちで、
どうしても、
放っておかれがちな
傾向にあります。


しかし、私は、
レッスン中の導き方で、
ある程度は向上できると
考えています




先ほどの4つのケースについて
考えてみましょう



A)音楽を聞いていない、または、ステップばかりに気を取られている。

ステップが難しくて、
動きの質をマスターできていないのかもしれません。
音をゆっくりする、動きを分解して教える、
1つずつの「パ」をマスターさせてから、
アンシェヌマンに取り入れるなどの工夫をして、
動きを体で覚えさせた上で、
音楽にも耳を傾けるよう、
指示するといいのではないでしょうか。


B) 音楽を聞いて、それに合わせて踊れるが、カウントに合っているのみで、何か物足らない。

先ほどにも述べましたが、音楽には、
カウント以外に様々なエレメントがあります。

アクセントがあるところは、
声を大きめにして掛け声をかける、
リズムを動きとともに口ずさむ、
または、曲の雰囲気を感じるように呼び掛ける
などをしながら、カウント以外の
音楽の要素に気付かせる手助けを
してあげるといいですね。
(例えば、
短調ならなんだか寂しい感じ、
長調なら明るく楽しく、
ポロネーズなら力強く堂々と、
タンゴならフォンジュの動きを
ジューシーに、
ポルカなら軽く楽しく、
ワルツなら美しいドレスが
揺れるのを感じながら
などなど。)


C) 音楽を感じる心はあるが、踊りだすと音に合わない。

このケースは、
重心移動が正しくできていない
場合が多いように思います。
どのカウント、または「and」で、
どちらの脚にのっているのか、
プリエなのか、ルルベなのか、
ピケなのか、タンルベなのか、
細かいところを指示してあげると、
助けになるかもしれませんね。

脚がある程度動いていても、
腕の動きが遅れていて、
結果的に踊り全体が
遅れて見える場合も
多く見かけます。
言うまでもないですが、
上半身の位置も非常に重要です。


D) 音楽を感じることができ、音楽に合わせて踊ることができる。
しかし、気持ちばかり先走って、テクニックが荒い。


私は、個人的に、
この部分が、素人とプロを分ける、
大きな境目だと思っています。

プロは、動きの質を下げることなく、
基本に限りなく忠実に動いた上で、
音楽や人物のキャラクターによって、
「パ」に色を付けていきます。

いくら、感じる心があって、
表現していても、
肩があがっていたり、
つま先が伸びていなかったり、
正しいポールドブラを
通っていなかったり、
身体のラインや角度が
正確でなかったりすると、
どこか、踊りが下品に見えたり、
素人っぽく見えると思います。

もう一度、基本に戻って、
1つ1つのテクニックの質を上げ、
よりクリーンでシンプルに
見えるように、
練習させる必要が
あると思います。



また、ある論文を読んでいると、
音通りに動くためには、
"anticipation"
(予想すること)

重要だとも書かれていました


つまり、
プレパレーションのテンポや、
前のフレーズを元に、
次のフレーズを予期しながら
踊るということです。


長く踊っていると、
自然に体が音楽に
反応するようになるので、
どのように習得したのかを
忘れていましたが、
教えることで、
教師が再確認できることも
多いですね。


Tokonatsu近況報告


個人的なことですが、
先日、アメリカのある大学の、
Doctor of Physical Therapyの
プログラムから、
合格の通知が来ました

毎年、倍率が、
10倍から20倍ほどにもなる学校で、
Performing Arts専門のクリニックがあり、
また、バレエ団と
パートナーシップも組んでいます。

まさに、
ダンサーの治療家を目指す私には、
この上ない環境です

やっと、
治療家としてのスタートラインに
立つことができました

プログラムは
来年の7月まで始まりませんが、
これから、もっともっと勉強して、
皆様の役に立てるように頑張ります





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