リタルダンドとアッチェレランド♪ ー音楽家とダンサーの矛盾点ー


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今日は、最近見つけた、
音楽についての
面白い論文を元に、
記事を書こうと思います
(論文自体は1992年とだいぶ古いですが。)


何か楽器を
演奏したことがある方なら、
ご存知だと思いますが、
楽譜にリタルダンドと
アッチェレランドという
指示がよくでてきますよね?


リタルダンド=徐々にゆっくり

アッチェレランド=徐々に速く

という意味ですね



ふと、考えてみれば、
これは、
とても曖昧な表現だ
とは思いませんか?



だんだんゆっくりと
言われても、
一体どれぐらいの時間をかけて、
どれぐらいのテンポまで
ゆっくりすればいいのか、
これだけでは、初心者は、
わかりませんよね?


しかし、クラッシック界には、
暗黙の決まりのようなものがあって、
経験者は、どれぐらい速くしたり、
また、遅くしたりすれば、
「自然」に聞こえるか
ということを、
感覚的にわかるようです



そこで、ある学者達が、
この「自然」という感覚は、
どういうことなのかを
数値で定義するために、
物理の公式を元に、
このようにリタルダンドされる
であろうという、
仮説の数式を作りました


そして、様々な指揮者によって
演奏された、
5曲の交響曲の
リタルダンドされる
パートを分析し、
グラフにして、
比較したようです


結果、この数式の通りには、
リタルダンドされていない
ということがわかりました





一見、バレエには、
あまり関係のない話のように
聞こえることですが、
ダンサーの体は、
物理の法則に従って
動いています


優れたダンサーというのは、
これだけの力で床を押して、
これだけの深さでプリエをして、
この速さで踏み切って、
これだけの速さで
この高さに脚を上げて
などということを、
常に、無意識のうちに、
身体が調節しながら、
音楽に合うように、
踊っています



そこで、いきなり、
ミュージシャンの「感覚」で
テンポが変わってしまうと、
ダンサーの計算が
狂ってしまいます


あらかじめ、
リハーサル時に、
指揮者とテンポの相談はしますが、
指揮者やミュージシャンは
人間ですから、
CDのように、
ここで5%ゆっくりして、
次のフレーズでは、
10%速くするなどというような、
絶対的な速さのコントロールは
できないのです


もちろん、
個々の指揮者の感性によって、
様々に演奏されますが、
同じ指揮者でも、
その日の気分によっても、
違います



困りましたね。。。。。



そこが、
生オーケストラで踊る大変さであり、
また、面白さでもあります


(生オケの予想外な
テンポチェンジに関する
過去の体験談を
書いた記事がこちら

「音楽のテンポとジャンプの高さの関係」
http://healthydancers.info/article/451591619.html
)



近頃、
アメリカの大きなカンパニーでは、
バレエ団専属の指揮者がいたり、
一般のオーケストラの指揮者とは別に、
バレエ指揮者と呼ばれる、
バレエを主に指揮する
コンダクターがいたり、
動きに合った音楽を提供する
指揮者も増えてきていますが、
基本的には、
ダンサーが音楽に
合わせなければいけない場合が
圧倒的に多いのが現状です


日頃から、
この事実を踏まえて、
トレーニングや
練習に励むのと、
何も考えずに、
自分の心地よいテンポばかりで
練習するのとでは、
大違いですよね


どんな状態にも、
対応ができるように、
心も体も準備しておきたいですね


Show must go on!!
なのですから


参考文献:
Feldman, J., Epstein, D., & Richards, W. (1992). Force Dynamics of Tempo Change in Music. Music Perception: An Interdisciplinary Journal, 10(2), 185-203



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